砲艦銀鼠号
アニメ「ゲド」の口なおしに一気に読みました。
「武装島田倉庫」の続編。大好きだった奇妙な言語感覚も健在(ただしこちらが慣れたせいか若干おとなしめになった?)。
ダイナミックな展開がないのはアニメ「ゲド」と同じ(しつこいか)ですが、こちらは椎名誠のSF特有の固有名や細部へのこだわりが、小説内の情景を濃厚にしていて、まったく気にならない。
灰汁(あく)や阿児(かに)といった登場人物も引き続き登場。今回は鼻が縦に裂けた「鼻裂(びれつ)」という強烈なキャラクターが加わって、にわか海賊として半島戦争後生態系が激変してしまった日本の海のどこかを、さまよいます。
前作のテイストもそのままに本作も楽しめますし、続編の舞台は空か?と思わせるエンディングも苦笑いが出ます。