みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ハサミ男

原作を読んで、小説でしか実現できないトリックに爽快さを感じていたので、映画は楽しみながらもちょっと心配でしたが、よく出来てます。
おそらくこの解決方法しかないであろう、という描き方。落ちがわかっているから、二重人格が判明していく過程などは、ついまどろっこしく感じてしまうのは仕様がない。
小説では、「みんな<ハサミ男>っていうから男かと思う」という台詞が書かれ方自体に含まれていたトリックのキーとして表れますが、これも映画という形式ゆえに普通の台詞になってしまう。
さらなる犯行を匂わせて終わる原作に比較して、終わり方がちょっと毒が無さ過ぎ・ひっぱり過ぎとも思えますが、「ハサミ男」役の豊川悦司*1麻生久美子のコンビも難しい関係を結構自然に演じています。

*1:未だに「京極堂」はこの人が演じるべきだったと思ってます。ハサミ男は当たり前すぎ