みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

シスター・レイでダンス

「アップタイト」という回想録が出たとき、John Caleが本作を自分達がイメージしていたものに遥かに及びもつかない失敗作と語っていたことに、妙な感銘を受けましたっけ。
サマーオブ・ラブの盛り上がりに背を向けて、自分達の聖地ニューヨークで制作された本作に刻まれた、音漏れにまみれたノイズロックの感触とノタクる即興は、鬱屈した気分を晴らしてくれる効果があります(それだけに普段聴くのがツライ局面もあり)。
同「アップタイト」でLou Reedは「ヘヴィーメタルの元祖というものがあるとすれば、このアルバムがそうだ」というよくわからない発言をしていましたが、もちろん音楽的にヘヴィーメタルに与えた影響は殆ど無いと思われる反面、直系の子孫というべきバンドを残したと思います。それは例えば、Faustの「ソー・ファー」であったり、もちろんソニック・ユースの「Confusion is Sex」、そしてThe Dead Cの初期アルバムも、このアルバムがなければ、生まれなかったものの典型なのではないかと。
ただし、今も昔も、ルー・リードの文学性だけは、誰も受け継ごうとは思わないようですが。

ジャケットに映るドクロの刺青がクールです。


ところで妙な映像をYouTUBEで見つけました。ヴェルヴェッツの「シスター・レイ」に合わせて全然関係ないいかがわしいほど明るいバンドが演奏するTV番組。何コレ?!すっげえモンドなんですけど。
アメリカって奥が深いな・・・