みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

Ben Goldberg『Door the Hat the Chair the Fact』

演奏が始まると同時に幸福感に満たされる最新作。5人編成になって相当サウンドが広く深くなったように思える(あくまで上述のHere by Nowと比べてです)。スティーブ・レイシーの「Blinks」を採り上げているのも納得感があり嬉しい。レイシーの厳しく切り立つようなソプラノと比べれば、ゴールドバーグのクラリネットは、ずっとやわらかな音色で(もちろん楽器の特性でもあるだろうけど)、逆に異様な曲調が際立たせている。総天然色カラーとは対極にあるが、モノトーンの中に様々なグラデーションがけだるくも豊かに。