みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ドゥルーズ解説書

ひきつづき『ドゥルーズ 流動の哲学 (講談社選書メチエ)』を読む。やはり「アンチ・オイディプス」と「カフカ」〜「千のプラトー」あたりの章が読んでいておもしろい。ドゥルーズ=ガタリの概念を列挙するのではなく著者が消化したものを並置するような形で書いてあるのがとてもありがたい。ドゥルーズの概念とガタリの現場感覚というように簡単に分けれないところがミソなのだな。以下はこの2冊の感触が感じられた部分。

資本主義は、かぎりなく欲望によって動かされ、欲望を刺激し、多様にしていくが、一方ではどこまでも欲望の実現を遅延し、排除するという点で、とてもシニカルなシステムである。(p.159)

欲望そのものは、少しも病ではないのだ。病は、欲望を変形しようとする装置の効果、その変形の効果として現れるだけだ。(p.161)
この本は、リゾーム-樹木という対から始めて、(中略)さまざまな対概念を提出している。(中略)けれども、これらの対概念がたがいに浸透しあい、逆転するようなこともしばしばおきるのだ。対を構成する二つの概念は、現実的に混成しあっている。(p.175)

ドゥルーズ 流動の哲学 (講談社選書メチエ)