アラン・ソーカル/ジャン・ブリクモン『「知」の欺瞞』
邦訳は2000年に出ていて、この本を知った直接のきっかけは、昨年秋にお気軽に読んでみた東浩紀の「郵便的不安たち# (朝日文庫)」収録の「ポストモダン再考−棲み分ける批評Ⅱ」(2000)に紹介されていたからです。
いわゆる「ポストモダン思想」における科学知識利用に「眉唾」をつけ、時には激しく告発してる本で、日本における「ポストモダン思想」冷却*1にも一役買っているに違いない本です。特にガタリはこてんぱんです。逆にそれが妙に納得できるもので、いっちょどこがどう無茶苦茶なんか確認してみよう、と、そして自分なりに、彼らの「論理」と「表現」を腑分けして読み進めてみよう、と思ったのでした。理解したい思考と理解しがたい思考を腑分けして進む必要があって、でないと、自分にとっても無意味なものになってしまう、と。
あと、この本もおもしろそう。
『1968―世界が揺れた年〈前編〉』(マーク・カーランスキー著)。「アンチ・オイディプス」や「千のプラトー」が『68年の最良の成果』といわれる(どこで読んだか忘れましたが)からには、ちゃんと復習しておかねば。D+Gの「強度」というのが、相当この「68年」の熱気に影響を受けている気がしてならない。その辺りを自分で確認してみたいのである。
*1:そしてその後の日本の状況はこちらに詳しい「ポスト・モダンの左旋回」