みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

Z'EV 『Headphone Music 1-6 , As Is Was』(2004、Touch)

nomrakenta2006-03-06

これは昨年購入したもの。
いにしえの「インダストリアル」時代から活動する謎のメタルパーカッションアーティスト「Z'EV」の初期録音集である。ずっと知人やファンには配られていたようだが、CDの形になるのは初めての様子。その際、入念にミックスを施したようだ。
ひらたく言えば1967年にUCLAでテープミュージックのクラスを受講していた折の作品ということだが、この人に関しては謎のノイズアーティストというイメージしかなかったので、初期音源などという人間臭い(か?)エピソードが逆に新鮮である。*1
音はといえば、良い意味で予想を裏切らず、テープ加工された水音やその他の自然音、メタルパーカッションらしき音が幾層もコラージュ状になって立ち上り、持続する、時々人の声もたなびくノイズの向こうに聴こえてくる。ループは全く使用していないらしいから、編集作業のみでここまで面妖な音響を作ったことになる。意外にもノイズらしいキリキリした部分がなくてヒーリング効果があり、聴いてるうちに何回かウトウトとなってしまった。ヘッドフォンで聴いて、ということなのかもしれないが、気にせず部屋で流してます。
88年に同じくTouchから出たmother tongueというユニットの『open in obscurity』というLPが大好きだった。
こちらのZ'EVのサイト↓をみると、製作過程など詳しく載っていておもしろいかも。使用している特大のドラムカンやその蓋や、これまた特大の金属のループなんかがごろごろとしている。カバラなど神秘主義への傾倒も大きい様子である。
http://www.rhythmajik.com

*1:講義はサイケバンド「the united states of america」のリーダーだったジョゼフ・バードから受けたらしい。今アルバムCDは手元にないが、特に覚えているのは『I wouldn't give my wodden wife for you』という曲で、フォーキーなうたに唐突な電子音が飛び交うサイケというにも珍妙な名曲だった。