みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ユージン・チャドボーン『アイラーは死なず』

nomrakenta2006-02-27


先日観た映画「ユリイカ(EUREKA) [DVD]」でアルバート・アイラーの「ゴースト」が使われていたので、手持ちのCDで「ゴースト」のカバーヴァージョンはないかと思ってゴソゴソしてみると出てきた。*1
本CDは2000年に発表されたものでチャドボーンのギターとベース、ドラムのトリオ編成でのリハーサルやライブをまとめた上に、チャドボーンのギターソロを収めてある。フリージャズで最も覚えやすい曲といえる「ゴースト」はソロで収録されている。自筆ライナーでチャドボーンは、最近(といっても2000年当時)雑誌の記事でチャドボーンのアイラーへの傾倒ぶりが、セロニアス・モンクに対するスティーブ・レイシーに比された、と大喜びしている。ほ〜そうなんだ。音が大きいソロ録音に比べて、トリオのライブ演奏では録音トラブルがあって、ギターを卓に通すことが出来ず、アンプからの音を直録した、みたいなことがライナーに書いてあるモコモコした音で、ギターのみオーバーダブしたようにも思えるが、それを置いといても、あんまり激しい演奏ではなくて、就寝前に聴くのに、とても良い。木魚のようなベースの音がまたいい。
アイラーをダシにフリークアウトしまくるチャドボーンの即興はよく「変態的」といわれるが、結構正統派のように思う。マーク・リボーにしてもそうだけど、ギタリストによるカバーは、アイラーのサックスの「うめき」と「ひしゃげ」をかなりいい感じで捉えていると思う。ギターのエフェクターがアイラーに似ているんだろうか。

*1:他にはマーク・リボーの「Saints」、シカラムータの「凸凹(デコボコ)」があった。