みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ノンバンド 『NON BAND』

nomrakenta2006-02-09


81年発表の唯一の10インチ。これをアメリカ村のKING KONGで2000円で買えた時は、ほんとにうれしかった・・・反面なんか悲しかった。
当時の硬直したパンクバンドに比して、このオリジナリティ。ベースがうねり、ヴィオラがさえずり、原始ドラムが祝祭する、日本昔話のような世界を、反自然をコミカルに揶揄する唄が跳びはねている。洋楽のニューウェーブの物まねとは対極の独自の世界をもったバンドだった*1。昨日のINDIAN NO ECHO SIGN BINE NO!にしても、一昨日のばきりのすにしても、ロックなんて、彼ら/彼女らには狭すぎる。敬愛をこめてもののけ音楽」というジャンルを献上したいと思う。
ところでCDには、オリジナルの10インチ収録の6曲に加えて、ライブは4曲追加されている。7.『インデプップ』は、なぜ10インチ未収録だったのか疑問なほどノンバンドの世界ど真ん中の曲。ノンさんの画材屋さんのHPによると、素敵な来歴があるのだった。Velvet Undergroundの『Hey,Mr.Rain』を引き合いに出すのは野暮というものだろう。10.『ヴァイブレーション・アーミー 』のパンクな勢いには「東京ロッカーズ」な雰囲気が。
数年前にノンさんのソロ「家 ieasin:B00006IK9H。その民話的な唄世界はほとんど変わってない、というか曲によっては、まんまノンバンドのところもあり、嬉しい仕上がりだ。ベースの爪弾きがさざなみのようなタイトル曲は、世界のための子守唄なのだ。

*1:もちろんリアルタイムの体験はありません。