みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

ばきりのす『色なき空と、あをい月』

nomrakenta2006-02-07

このばきりのすは、大阪をベースに活動する女の子二人のデュオ。ほとんど二人のアカペラで、楽器はメロディオンなど最小限という、かなり変わったユニットです。
試聴した時、昔の「さかな」の「ワールド・ランゲージ」などでのポコペンさんのアブストラクトなボーカリゼーションを思い出しました。それが二人分でゆるゆると絡まりあいながら、白昼夢のような光景を描き出すんだから、これはハッキリ僕の好みです。
聴くにつれ、メレディス・モンクmeredith monkの「Facing North」などの佇まいなんかも髣髴させるように思えてきた。つまり民族的で民話的な即興性もありながらコンテンポラリー、しかし等身大で生々しい夢想が共存する空間。その矛盾する感覚のあまりのてらいの無さに、こちらは最初ちょっと尻込みしつつ、やっぱり浸ってしまう。かなり不安定でありながら甘美さがある作品だと思います。
CD帯のプロフィールのキーワードは「ものの怪」。なるほど、たしかに森の精霊なんかがあちらこちらに浮かんで仲良くやっていそうです。
色なき空と、あをい月 レーベル:mixed media トカ軸 TOKA-002