みみのまばたき

2006-2013 箕面の音楽・文学好きの記録です。

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ゾンビ映画のマッドマックス2

これもツタヤ。なんか映画ばっかし観てるようですが。 もちろんグロイにはグロイが一種のあほらしい爽快感あり。 ゾンビ側のリーダー「ビッグダディ」(ジャケット正面)が人権(ゾン権?)意識に燃えているのがすでにゾンビではなくて、おもしろい。

ユージン・チャドボーン『アイラーは死なず』

先日観た映画「ユリイカ(EUREKA) [DVD]」でアルバート・アイラーの「ゴースト」が使われていたので、手持ちのCDで「ゴースト」のカバーヴァージョンはないかと思ってゴソゴソしてみると出てきた。*1 本CDは2000年に発表されたものでチャドボーンのギターとベ…

ユリイカ

ツタヤレンタル。青山真治監督「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」を観たので、これも。 2000年の作品。アルバート・アイラーの『ゴースト』とジム・オルークの『ユリイカ』が使用されている。どちらも激しい内圧でひしゃげ切ってしまった「うた」だ。万感の思…

DEERHOOFとあふりらんぽ

DEERHOOFとあふりらんぽを十三ファンダンゴで観て来ました。ライブは昨年暮れのマダム・ギター以来。。 混んでいて背の低いサトミ・マツザキさんは殆ど視認できず。写真はかろうじて捉えた勇姿(?)。モニターがあってよかった。 あふりらんぽは初めて観た。二人全…

BONNIE PINK 『Golden Tears』

ぐっとお腹にためれるものもありつつ、スカッともする「歌」。カラフルであることに徹した気合の入ったポップス。これは嫌いなわけがないです。

Marion Brown『Three For Shepp』

アルバート・アイラーの『Spiritual Unity』が64年。フリージャズの季節。アーチー・シェップの『Fire Music』で初レコーディング、コルトレーンの『アセンション』に参加。65年にESPディスクから初リーダー作を出したあと、66年に何作か吹き込むが、その中…

Ornette Coleman『Science Fiction』

1971年コロンビアレコードでのオーネットのセッションを丸ごとコンパイルしている。つまり「サイエンス・フィクション」(Disc1)と「ブロークン・シャドウズ」(Disc2)。「サイ・・・」は個人的にはオーネット、ドン・チェリー、チャーリー・ヘイデン、ビリー・ヒ…

Mils Davis『Get Up With It』

これは割りと以前から聴きたいと思っていた盤。70〜74年。体質的により自然に馴染んでくるのは、こちらかも。以前にどこかに「限りなく暗くフリーキー」と紹介されていた記憶があった(そんなんばっかりです)が、むしろ雑食性ながらも丹精、スタイリッシュ…

Mils Davis『Bitiches Brew』

以下全てツタヤ半額レンタルにて。 なぜか今まで聴こうとしていなかった69年・70年の名盤。昔、ジャズ本に「フュージョンの誕生」とか書いてあって、パンクからジャズに入ったもんでフリー・ジャズしか聴かんと決めていた馬鹿な私は即縁が無い盤、と決め込ん…

The有頂天ホテル

やっと観た。暮れに見ないと楽しみ半減かもしれない。相変わらずの三谷幸喜だが、個人的には好きです。

仲正昌樹 『日本とドイツ 二つの戦後思想』

前から気になっていた本をやっと読めた。「戦後責任」「ネーション」「マルクス主義」「ポストモダン」の四つに時期にくくりつつ、両国の戦後を比較しようとする試み。結論的には、日本とドイツ、両国共に敗戦国として大筋は似た変遷となっているが、根本的…

ライ・クーダー『チキン・スキン・ミュージック』

実は最近のライ・クーダーのことはよく知らない。「ブエナ・ビスタ」もあんまりピンとこなかったし、そういえばライ・クーダーって、このアルバムしか持っていないし、そもそも自分の中のどのタイミングでライ・クーダーを聴こうなどと思ったのやら、とんと…

即興演奏ってどうやるの―CDで聴く!音楽療法のセッション・レシピ集

即興音楽、ということで思い出した。京都のメディアショップで平積みになっているのをちょっと立ち読みしただけですが、一見「なんちゃってミニマルミュージック風」とかいっておちゃらけている様子で、結構色々とマニアックに網羅していて割と迫力がある。…

ペルト『Pearls from the River』

『チキン・スキン・ミュージック』(下掲)にアメリカン・ミュージックへの愛などさほど感じない。音楽は音楽自体を愛しているんである。統一された「アメリカーナ」など元々幻想なんであって、分裂並行こそが唯一の「常態」であったことは、日本ついてもいえ…

杉村昌昭『分裂共生論』

フェリックス・ガタリの著作の日本での翻訳を多数手がけてきた第一の紹介者による最新の論文集。ふいに「千のプラトー」をちゃんと読みたくなって、最近ガタリ側から読んでいけそうな気がしている、とは前に書いていて、その流れ。 紹介者によるガタリの解説…

Q and Not U 『Different Damage』

元メンバーのソロRis paul ricの『Purple Blaze』が良かったので、買ってしまった。通常のロック・フォームでひねりの効いたポップな「速度」を感じさせてくれる知性的なハードコア。激しさもあるにはあるが、あくまでも引き出しの中の一つ、というすがすがし…

シオン『Strange but True』

時間がないので主にマーク・リボーなどのNY陣とやった「Strange Side」を聴く。ナイーブでよれよれの(時としてイタい)歌に妙なサウンドで、得がたい仕上がり。 ちょっと突き放した感じで己を笑っている歌詞のほうが、この頃のシオンを今聴くには調度よいと…

マイルス・デイビス『Dark Magus』

評論家が言うほどのヘヴィネスは感じなかったが、最高品質のフリーフォーム・ファンク(浅い?)と思った。フェラ・クティよりもあっさりめで結構好みの音。マイルスのペットがひかえめな気がする。

マイルス・デイビス『In a Silent Way』

ツタヤ半額で借りた盤(下も)。明日返さねばならないので聴く。 クールな上に、しなやかでキラキラしている。昔聴いてたら「フュージョンだな」と短絡してたかもしれない。これはいいな。

京都へ

写真は、五条西洞院通付近の公園へつながる路地。光の具合がとてもよかったので。 知人に会いに京都へ。用事が重なったので五条の「書肆 砂の書」さんで直前に取り置きして頂いていた本とあと何冊かを購入。いつもながらお話がためになる。 1.スーザン・ソ…

クリスチャン・ウォルフ「Look She Said」

ジョン・ケージに易経を教えたというクリスチャン・ウォルフ。マイケル・ナイマンの「実験音楽―ケージとその後」では、アメリカ実験音楽の始源でもあるニューヨークスクールの一人として、アール・ブラウンと共に、ケージやフェルドマンより過激な印象を残す…

ノンバンド 『NON BAND』

81年発表の唯一の10インチ。これをアメリカ村のKING KONGで2000円で買えた時は、ほんとにうれしかった・・・反面なんか悲しかった。 当時の硬直したパンクバンドに比して、このオリジナリティ。ベースがうねり、ヴィオラがさえずり、原始ドラムが祝祭する、日本…

『資本論も読む』も読む2(読了)

先日、『「わからない」を「わからない」として味わうという態度にすごく共感できる』とかえらそうに書いてしまったが、著者が「わからない」を連発しているのは、はじめの数章だけで、その後、特に連載媒体が休刊で替わってからページも増えて、結構テンシ…

古本届く

今日は残業当番。久しぶりだとちょっとだるい。中旬から新しい分野もカバーしなければならないのだし、気を引き締めなければ。 帰宅すると、「日本の古本屋」に注文していた古本 Fガタリの「三つのエコロジー」(1991年)が届いていた。最近、ガタリの「造語…

INDIAN NO ECHO SIGN BINE NO!「Live at Bears」(写真右上)

ずっと気になっていたのに、ライブも行けずCDも聴けずじまいで解散してしまったバンドのライブ盤をやっと見つけた。代表曲で入っていないのがあるようだけど文句はいうまい。編成も似ているためか、ノンバンドみたいな「浮遊」と「軋み」がある。ライブの存…

ばきりのす『色なき空と、あをい月』

このばきりのすは、大阪をベースに活動する女の子二人のデュオ。ほとんど二人のアカペラで、楽器はメロディオンなど最小限という、かなり変わったユニットです。 試聴した時、昔の「さかな」の「ワールド・ランゲージ」などでのポコペンさんのアブストラクト…

Gavin Bryars「イエスの血は決して私を見捨てたことはない」(Jesus' Blood Never Failed Me Yet)

キャリアの初期デレク・ベイリーやトニー・オクスリーと「ジョセフ・ホロブロック」という名のトリオを組んでジャズのメソッドから自由な即興演奏を探求していたブライヤーズですが、その音楽的関心は次第に「即興」から距離をとり「作曲」へと向かっていっ…

一昨日観た映画「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」の意味は、十字架上のイエスの言葉「神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや」とのことで、キリスト教的受難の色彩が非常に強いんではないかと、想像してしまいますが、実はその種のメッセージは映画中、最小限に…

吾妻ひでお「失踪日記」

冬に読むのに最適な本である。凍死寸前で筋肉が収縮してバキバキいう音など決して聴きたくはないが、壮絶なボディソニックであろうとは想像できる。しかもそんな凄惨な浮浪生活を、実に一定のタッチで淡々と描いてある。著者も語る通り漫画という性質上、相…

ノイズに中に解体する「隠喩としての病」:青山真治監督「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」

テアトル梅田で封切り日に観て来ました(写真はパンフレット)。 近未来(西暦2015年)、「レミング病」という人を自殺に駆り立てる病が蔓延している中、病におかされた孫娘(宮崎あおい)を救いたい老大富豪(筒井康隆)は、ある二人組(浅野忠信+中原…